2、相掛かり
前回は矢倉模様から棒銀を仕掛けてきたときの対策だったが、今回は相掛かりの時の棒銀対策について考える。相掛かり棒銀は非常に優秀な戦法で、最善を尽くして互角であることが特徴でプロ間でもよく指されている。
(初手より)▲26歩 △84歩 ▲25歩 △85歩 ▲78金 △32金 ▲48銀 △86歩 ▲同歩
△同飛 ▲87歩 △82飛 ▲76歩 △72銀 ▲68玉 △83銀(基本図)
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(基本図) |
△83銀と銀の進路が定まったところで、後手の棒銀が決定する。ちなみに、△84飛と棒銀の組み合わせは相性が良くない(△83銀と上がった時に▲66角と上がられる)。これも受けの形を知らなければ一瞬で攻めつぶされてしまう。
(基本図より)▲24歩 △同歩 ▲同飛 △23歩 ▲26飛 △84銀 ▲77角
△85銀 ▲88銀(図1)
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(図1) |
図1が棒銀の受けの形だ。先手は後手から△86歩と合わされる前に▲26飛~▲77角~▲88銀の形を作っておけば棒銀につぶされることはない。つまり、飛車先の交換を保留しておいて△83銀とされた瞬間に飛車先を交換し▲26飛と引く、と覚えておけば棒銀につぶされることはない。また、これは後手番の時でも応用でき▲27銀を見て飛車先を交換して△84飛~△33角~△22銀の形を目指せばよい。
当然後手も△86歩と打ち、開戦してくる。
(図1より)△86歩 ▲75歩 △87歩成 ▲同銀 △86歩 ▲同銀 △同銀 ▲同飛(図2)
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(図2) |
△86歩に対し▲同歩は△同銀▲66角△87歩▲79銀△34歩(参考図-1)で先手苦戦。
▲75歩とつくのが正しい応手で86の地点に飛車、角、そして歩か銀の三枚の利きを集めて受ける。ちなみに第2図で最後、▲86同角と取るのは△95銀と打たれてしびれる(参考図ー2)。
図2までは必然の応酬だ。
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(参考図ー1)
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(参考図ー2) |
(図2)△同飛 ▲同角 (★1)△26飛 ▲84飛 △29飛成 ▲39金
△19竜 ▲81飛成(成功図)
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(成功図) |
ちなみに手順中の▲84飛では▲83飛、▲82飛が自然に見えるが、いずれも△72銀、△71金と一旦受けられて逆転する。
では、これでめでたく先手よしなのか、実はそうではない。
(★1)△34歩 ▲77角 △同角成 ▲同玉(これからの将棋)
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(これからの将棋) |
▲81飛成△72銀▲91竜△89馬(失敗図-1)と進み後手勝ちになる。△99角成~△89馬で先手玉に迫るスピードが一気に上がり、かつ後手玉は△42玉~△33玉~△22玉の逃げ道が出来て安全になっている。
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(失敗図-1) |
よって一回角成を受ける必要があるのだが駒を使わず▲77桂や▲77金と受ける手は△89飛、△88飛が両取りとなる。また、▲88歩と受けるのは、今度こそ△26飛と打ち、成功図の局面まで進んだとき△28銀と遠巻きに攻めて後手優勢(失敗図-2)。後手は成功図に比べ角道が通りかつ玉の逃げ道が広がっている。
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(失敗図ー2) |
ちなみに、▲77角に代えて▲66銀も有力だ。一例としては△25飛▲84飛△29飛成▲39金
△19竜▲81飛成△76香▲77桂(難解)という展開が予想される。
以下、先手は▲74歩~▲45桂、後手は△27桂~△39桂成と攻めあってどうか。非常に難解な形勢だ。
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(難解) |
実は先手の飛車の歩の交換を保留する構想に問題があった。
(初手より)▲26歩 △84歩 ▲25歩 △85歩 ▲78金 △32金 ▲24歩 △同歩
▲同飛 △23歩 ▲26飛 △72銀 ▲38銀 △34歩(対策1)
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(対策1) |
(初手より)▲26歩 △84歩 ▲25歩 △85歩 ▲78金 △32金 ▲24歩 △同歩
▲同飛 △23歩 ▲28飛 △72銀 ▲38銀 △86歩 ▲同歩 △同飛 ▲87歩 △82飛
▲27銀(対策-2)
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(対策ー2) |